高血圧とスクーバダイビング
記事 by Nancy Huntington-Grahn
訳・編集 by 青木 優子
「高血圧なんだけど、ダイビングしても大丈夫?」
皆さんの周りでもこんな会話を聞いたことはありませんか?
日本人は約3分の1が高血圧だと言われており、「隠れ高血圧」の割合も高いそう。年齢を重ねると気になるこの問題。
さてその答えは?
目次
・高血圧 とは?
・高血圧の原因・リスク要因
・ 高血圧の症状/起こりうる合併症
・ 診断/モニタリング
・治療と管理
・予防のポイント
・高血圧とスクーバダイビングは両立できる?
・結論
高血圧 とは?
高血圧とは、動脈の壁にかかる圧力(血圧)が慢性的に高い状態を指します。血圧は以下の 2 つの数値で測られます。
・「収縮期血圧(心臓が鼓動したとき)」
・「拡張期血圧(鼓動の合間に心臓が休んでいるとき)」
一般的に、高血圧は「血圧が継続的に 140/90 mmHg を超える」場合に診断されます。理想的には、120/80 mmHg 以下が望ましいとされています。(日本循環器協会ホームページより)
収縮期血圧と拡張期血圧のどちらの数値も、その人の心血管の健康状態と全体的な健康を評価するうえで重要です。
高血圧の原因・リスク要因
高血圧は、本態性と二次性に分類できます。
● 本態性高血圧(一次性)
・明確な原因を特定できず、長年かけて徐々に発症する
● 二次性高血圧
・原因となる病気や薬が存在する
例:腎臓病、ホルモン/内分泌異常(甲状腺/副腎など)、特定薬剤の影響
⚠️リスク要因
・遺伝:家族に高血圧の人がいるとリスクが高まる
・年齢:加齢とともにリスクが上昇する
・肥満:過剰な体重は高血圧の原因となりうる
・食事:塩分の過剰摂取、カリウム不足、不健康な食習慣
・運動不足:日常生活で座りがち
・アルコールとたばこ:過度の摂取は血圧を上昇させる
・慢性疾患:糖尿病、腎臓病、睡眠時無呼吸症候群など
高血圧の症状/起こりうる合併症
高血圧は、重大な損傷が起こるまで自覚症状がほとんどないことから、“サイレントキラー(静かな殺し屋)”と呼ばれることがあります。重度になると、頭痛、息切れ、鼻血、めまいなどの症状が現れる場合があります。
早期発見と管理のためには、定期的な測定が欠かせません。治療されずに放置された場合、高血圧は次のような深刻な健康問題につながる可能性があります。
⚠️高血圧が引き起こす健康リスク
・心疾患:心筋梗塞、心不全、不整脈のリスクが増加する
・脳卒中:虚血性・出血性の両方の脳卒中の可能性が高くなる
・腎障害:慢性腎臓病や腎不全につながることがある
・視力障害:目の血管が損傷し、視力低下を引き起こす可能性がある
・動脈瘤:血管壁が弱くなり、膨らみが生じる
診断/モニタリング
高血圧は、腕帯と血圧計を用いて複数回・反復して血圧を測定することで診断されます。自宅で使える血圧測定器も広く普及しており、継続的な自己管理に役立ちます。
❓では血圧を測る最適なタイミングは❓
朝一番で、膀胱を空にし、カフェイン摂取や激しい身体活動、服薬を行う前が理想的です。朝の早い時間に測定することで、自分の基準となる血圧値を把握しやすくなります。
また、臓器への影響や高血圧の原因を調べるために、追加の検査が行われることもあります。
治療と管理
☑️生活習慣の改善
・健康的な食事(例えば高血圧予防のためのDASH食事法:Dietary Approach to Stop Hypertension=高血圧予防食)
・定期的な運動
・体重管理
・塩分摂取の制限(目安:6g未満/日)
・アルコールの制限
・喫煙や電子タバコの中止
☑️薬物療法
・利尿薬
・ACE阻害薬
・β遮断薬
・カルシウム拮抗薬など、個人の状態に応じた処方薬が使用されることがある
☑️定期的なモニタリング
・血圧を記録
・医療機関で定期的にフォローアップすることで管理を行う
予防のポイント
⭕️健康的な体重を維持する
⭕️果物や野菜を豊富に取り入れ、塩分を控えたバランスの良い食事を心がける
⭕️定期的に身体を動かす
⭕️アルコールの摂取を制限し、タバコは避ける
⭕️リラクゼーション法や十分な睡眠でストレスを管理する
また、医療提供者の助言として、友人や家族、地域の支援プログラムなどのサポートを受けながら健康習慣を継続することも推奨されます。高血圧とそのリスクについて定期的に学ぶことで、自分自身で適切な判断を行い、管理へのモチベーションを維持することができます。
高血圧とスクーバダイビングは両立できる?
高血圧の方でも、血圧が適切に管理され、定期的に医師の管理下にある場合は、スクーバダイビングに参加することは十分可能です。水中環境は心血管系に追加の負荷を与える可能性があるため、ダイビング前には必ず医療提供者に相談することが重要です。
条件としては:
☑️血圧がきちんとコントロールされていること
☑️医師の管理・定期チェックを受けていること
☑️処方薬を適切に服用し、生活習慣の改善(食事・運動など)を守っていること
☑️ダイビング前後で脱水を避け、過度な運動や無理をしないこと
☑️インストラクターやダイブセンターに自身の病歴をあらかじめ伝えて、安全対策を講じること
さらに、脱水を避け、体力の消耗を管理し、水中でめまいや息切れなどの症状に注意することも必要です。これらの注意を守ることで、管理された高血圧の多くの人が安全にスクーバダイビングを楽しむことができます。
結論
高血圧は一般的な疾患ですが、潜在的に深刻な状態であり、生活習慣の改善、薬物療法、定期的なモニタリングによって効果的に管理できます。
早期発見と積極的な管理が、合併症の予防と長期的な健康維持の鍵となります。
ダイビングは長く楽しめる素晴らしい趣味です。
冬になり、寒くなるこれからの季節。寒さで血管が収縮するので、血圧にはより注意が必要です。が、
高血圧とうまく付き合いながら、無理なく安全に、豊かな海の世界を満喫しましょう!
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