SDIの本国アメリカでは人気のコースの一つである、ソロダイバーというコース。
日本ではあまり知られていないように思います。私も数人のダイバーの知人に尋ねてみましたが、皆一様に知らない、との寂しい返事。
この記事を読んでくださっている方の中にも、初めて目にした、聞いたことはあるけれど具体的なことは知らない、という方が大多数かもしれません。
そして【ソロダイバー】というコース名を見て、「自分は一人では潜らないから必要ないかな。」と思った方も多いのでは?
が!!
そんな方にこそ知ってもらいたい、ソロダイバーコース。
読後、そういうことなのか!と興味を持っていただけたら嬉しいなと思います。
ソロダイバーコースとは
このコースで学べること、やるべきこと、前提条件、そして何ができるようなるのか、という詳細はこちらをご確認ください。→SDIソロダイバーコース https://www.sditdierdi.jp/courses/sdi/sdi-sl.html
それらを踏まえた上で、このコースが実際にどのようなことを目的としているかをお伝えします!
まずはじめに
ソロダイバーコースと銘打っていますが、このコースで重要なのは、
・ソロダイビングをどんどんしようと推奨しているわけではない
・ソロダイビングのノウハウを習得することで、自立したダイバーになり、ひいてはそれがバディシステムを強化する
ということです。
意外だなと感じませんでしたか?恥ずかしながら私もこのコースの事を詳しく知るまでは、このライセンスを取ってソロダイビングしよう!という趣旨のコースだと思っていました。
しかし上記の2点を目的としていると知ると、このコースの見方が変わります。
記念すべき第1回目の今回は、SDIファシリティのスティングレイ・ジャパンでソロダイバーコースを受講された、写真家の峯水亮さんにお話を伺いました。(聞き手 SDI TDI ERDI PFI JAPAN 代表 加藤大典)
峯水亮さんのプロフィール(ご本人のホームページより)
日本の水中写真・映像作家。1970年大阪府枚方市生まれ。西伊豆大瀬崎でダイビングガイドとして活躍した後、1997年にフリーの写真家として独立し、峯水写真事務所を設立。公益社団法人日本写真家協会会員。2001年から2012年まで、海外ロケを中心としたダイビング誌などの撮影に従事。プライベートでは浮遊生物を中心とした海洋生物の撮影にも取り組んできた。数多くの児童向け書籍やTV番組などにも写真及び映像を提供する他、著書に「ネイチャーガイド-海の甲殻類」「日本の海水魚466(ポケット図鑑)/共著」「サンゴ礁のエビハンドブック」いずれも文一総合出版、「デジタルカメラによる水中撮影テクニック」誠文堂新光社、執筆を担当した書籍に「世界で一番美しいイカとタコの図鑑」エクスナレッジなど。2015年には浮遊生物撮影18年間をまとめ上げた集大成「日本クラゲ大図鑑」を平凡社より上梓。これまでの経験を活かし、自然番組の企画提案なども行っている。2015年にはBlack Water Dive®を商標登録し、さまざまな浮遊生物をフィールドで観察できるイベントBlack Water Dive®を国内外で開催。2016年 第5回 日経ナショナルジオグラフィック写真賞 グランプリ受賞。2017年6月、アメリカニューヨーク市のFoto Care Galleryにて自身初の個展「The Secret World of Plankton」を開催。BBC ,NBC, ABC, National Geographic などにこの作品が紹介された。2018年 山と渓谷社より「ときめくクラゲ図鑑」を刊行、ナショナルジオグラフィック社より写真集「Jewels in the night sea - 神秘のプランクトン」を刊行。また、同タイトルの個展をキヤノンギャラリー銀座・名古屋・大阪で開催。この写真集と写真展は、2019年日本写真協会賞の新人賞を受賞した。TBSテレビ「クレイジージャーニー」関西テレビ「NMBとまなぶくん」、日本テレビ「世界まる見えテレビ特捜部」「世界の果てまでイッテQ」MBS「情熱大陸」にも出演。
峯水さん
「ダイビングを始めて、すぐにダイビングのガイドをしていたので、毎日当たり前のように潜り、何となく自分のスキルを意識しながら潜れていたんですが、ダイビングガイドから写真家になって今で27年目になりますが、ガイド時代と比べて使っている機材も潜るスタイルもだいぶ変わってきたし、年齢を重ねてくる中で、昔みたいにできてない部分があるなと気付いた時がありました。
特に、潜る事が当たり前すぎていつの間にかおろそかになっていた安全面に対する意識とか、ちょっとした注意力の欠如だとかに新たに気づいたりして、ここで新たに自分のダイビングのスキルアップしないといけないなと思い、SDIのソロダイバーコースを受講しようと思いました。
私は撮影の時に外洋で潜ってることが多いので、いざとなったらすぐにレスキューを受けられる環境にいません。だから、より安全性を高めて潜れるようにならなきゃいけないなと思ったのですが、何かこれまで習得してこなかったけれど私に必要なスキルはないかなという時に"ソロダイバー"という考え方を新たに取り入れることによって、今まで以上にちゃんと安全について意識して潜れるようになりたいなというのが、ソロダイバーを受講したきっかけです。
受講してみてあらためて思ったのですが、いろんなテクニックを自分に取り入れ続けていくことが大事だし、ライセンスをここまで取ったからOKじゃなくて、そこから更に高めていく事でより安全に潜れるようになるというのが実感としてあります。」
加藤
「コンセプトとかどうでした?ソロダイビングで、ああそうだなとか、なるほどそういうことだな、ということは新たに何かありましたか?」
峯水さん
「そうですね。自分はもうインストラクションはしていませんが、現役のインストラクターでもあるので、ある程度はいろんなことに対処できる知識と自信はありました。しかし、自分のスキルの中ではできると思っていたけれど、野村さんたち(スティングレイ・ジャパン)からはこういう時にはこうする方法もあるという新しい知識とテクニックを取り入れることができたので、本当に受けてよかったなと思いました。
これは絶対に受講した方がいいと思って、うちのアシスタントスタッフの兼城(ダイブマスター)にもすぐに受講してもらいました。その結果、これまで触れなかったテクニックや安全面に対する更なる意識が高まって、とっても良かったと思っています。
どんどん広めていきたいですね。」
峯水さんから、どんどん広めていきたいとの嬉しいお言葉をいただきました。ありがとうございます!
そして更に嬉しいことに、峯水さんから素敵な写真も頂きました!
峯水さんは写真家として活躍されていますが、この記事を読んでくださっている中にも、フォト派ダイバーさんはとても多いと思います。
写真を撮るのに夢中になっていて、ふと気付けば一人になってしまっていた、という経験はありませんか?
そんな時、一時的にではあるかもしれませんが、ソロダイバーという状況になっていますよね。そしてその時に何かトラブルが起こったら?
そう考えると、望むと望まざるとに関わらず、結果的にソロダイバーになってしまう状況は意外に少なくないように感じます。ソロダイバーコースを受講して自立したダイバーになるということは、チームやバディとはぐれてしまった際にも落ち着いて行動できるというスキル面・精神面の土台を作ることができるということです。
ソロダイビングはしないから、と思っていたそこのあなた!このコースの内容は、きっと普段のダイビングにも活かせます!
多くの方に知ってもらいたい、受講してもらいたい、このコース。
ご興味が湧きましたら、お近くのファシリティに是非お問合せください!