第一回 稲積水中鍾乳洞プロジェクト/INAZUMI UNDERWATER CAVE PROJECTのご報告

投稿者:加藤 大典

Photographer  Jun Shimizu


[プロジェクト名] INAZUMI UNDERWATER CAVE PROJECT  稲積水中鍾乳洞プロジェクト

[稲積水中鍾乳洞とは]
大分県豊後大野市にある稲積水中鍾乳洞は3億年前の古生代に形成され、30万年前の阿蘇火山大噴火により水没し現在の形を形成しました。洞内には水中鍾乳石や珊瑚石、ベルホール、ヘリクタイトなどが数多く見られる世界的にも珍しい水中鍾乳洞です。
稲積水中鍾乳洞の始まりは、今からおよそ2億数千万年前。はるか大昔、恐竜が生きていた時代で、私たち人類が現れ、やがて長くて寒い氷河期に入ろうとしていたときでした。 ちょうどそのころ稲積水中鍾乳洞のもとになる形(洞窟)ができたと考えられています。そしておよそ8万5千年前に起こった、熊本県の阿蘇山の大噴火によってこの鍾乳洞はすっかり水に埋もれてしまったのです。 その後長い時間がたち、 江戸時代には鍾乳洞の存在だけは知られていましたが、誰も見ることはありませんでした。 そして発見されたのは、現代のこと。ある日白山川で遊んでいた子どもたちが水のなかに“穴”を見つけたのが、なんと鍾乳洞の入り口だったのです。1976 年には塩月耕さんを中心とする潜水探検隊のダイバーによる潜水調査が始まり、日本でも一番長い約1,000 メートルの水中鍾乳洞が確認されました。 今でも調査は続き、2014年2月に行った潜水調査では、水中鍾乳洞全体の測量と、本洞最奥部の調査結果が報告され、新たに300メートルもの鍾乳洞が見つかりました。現時点で日本最長の水中鍾乳洞です。

[稲積水中鍾乳洞プロジェクト]
前回の公式な調査から10年。稲積水中鍾乳洞さんから許可をいただき、稲積水中鍾乳洞支配人 青松善輔さんの監督のもとプロジェクトをスタートしました。このプロジェクトは、この洞窟を潜り続けている、ケイブエクスプローラーINAZUMIの大濱裕次さん、そしてこの洞窟に何度も訪れている洞窟探検家の吉田勝次さんと、そして発起人であるTDI JAPAN代表の加藤大典の3名が中心となり、新たな未踏洞窟を探査することになりました。今回の探検は、水中だけではなく陸上洞窟の未踏洞窟も探査するケイバーとケイブダイバーのコラボレーションプロジェクトです。その他にもこの貴重な洞窟を守るための保全や啓蒙活動、新たな測量や撮影記録など様々な活動を行います。探検や測量、保全などを安全で質の高い報告ができるようにプロジェクトメンバーのトレーニングや教育にも力をいれていきます。プロジェクトのダイビングや探険も無理せず楽しく安全に運営していきます。主催は、稲積水中鍾乳洞プロジェクト SDI TDI ERDI PFI JAPANが後援となります。
第一回 参加チームは、・地球探検社/JET(吉田勝次 竹内考騎) ・Cave Explorer Inazumi(大濱裕次) ・Seadragon(佐伯祐美) ・Lazuli(人見修平) ・水中写真家(清水淳) ・TDI JAPAN/Dive Proshop evis(加藤大典 鐵本菜穂子 赤松啓 入江秀毅  村山絹絵)

このプロジェクトは継続してまいります。参加ご希望の方はご連絡くださいませ。
安全にマナーよく活動を行っていくために参加条件は下記になります。
[ダイバー]
このプロジェクトは、一般ダイバーさんの参加も可能です。一般ダイバーさんは、インストラクターがカバーンダイビングエリアをガイドいたします。ダイビング基礎技術の習得は必須ですので、事前にチェックダイブが必要となります。またバックアップガスの携行をおすすめしていますので、SDIソロダイバーやSDIサイドマウントダイバー資格があるとよいです。資格のない方は事前にトレーニングも可能です。ダイビング以外でもプロジェクトメンバーの活動を見学したり、お手伝いしたり、洞窟について学ぶことができます。
[ケイブダイバー]
TDIケイブダイバー(または同等資格)をお持ちの方もご参加いただけます。リアルなプロジェクトとなりますので、資格だけではなく、安全に潜るために、事前トレーニングやチェックダイブが必要です。SDI TDIファシリティとしての参加も可能です。
詳しくはお問い合わせください。


第一回 稲積水中鍾乳洞プロジェクトは、2024年9月6日から準備やトレーニングを開始し、2024年9月11日~9月16日で行われました。事前準備から解散まで、13日間の行程でした。


9/6からプロジェクトがスタートしました。


今回使用したシリンダーの数は100本 ダイビング施設は近くにないため、準備はとてもたいへんです。


プロジェクトTシャツも完成 売り上げの一部を稲積水中鍾乳洞の保全活動に充てられます。


TDI / INAZUMI UNDERWATER CAVE PROJECT Tシャツについてのご案内 TDI JAPANは、稲積水中洞窟の調査活動を応援しています。 2024年、『日本国内で有数のケイブダイブサイトである稲積水中鍾...



クレージージャーニーでおなじみの洞窟探検家の吉田氏 明るい性格で場を盛り上げてくれています。もちろんケイビング探検の総監督です。


プロジェクトのケイバーチーム


吉田隊長はさっそく狭い洞窟を探検!!



水温16℃の水へウエットスーツもなしで進むケイバーチーム



Cave Explorer Inazumi 大濱氏 水中からドライケイブに向けて、ケイビングトレーニング中



9/14には吉田勝次氏の洞窟案内もしてもらいました。洞窟のことについてたくさん教えてもらいました。



この上の縦穴をどう攻略するか説明してもらいました。



後半の参加者で集合写真




稲積水中鍾乳洞さんのバンガローがプロジェクト本部として、ミーティングや探検器材の準備に使用されました。WIFIも利用でき快適です。




アビスオブミラクル  はしごを設置して、器材をロープで降ろし、ケイブダイビングがスタートします。


水中写真家の清水氏に活動記録として、そして鍾乳洞の魅力を伝えるために撮影協力いただきました。今後も稲積水中鍾乳洞の撮影にご協力いただけます。


Photographer  Jun Shimizu  


Photographer  Jun Shimizu


Photographer  Jun Shimizu


Photographer  Jun Shimizu


Photographer  Jun Shimizu


Photographer  Jun Shimizu



Photographer  Jun Shimizu パーマネントラインを測量用に張りなおしています。


Photographer  Jun Shimizu


Photographer  Jun Shimizu


Photographer  Jun Shimizu


Photographer  Jun Shimizu  


Photographer  Jun Shimizu  測量のためのパーマネントラインをシードラゴン佐伯氏とラズリ人見氏で整備




何本かのリールがエンプティリールに


9/15の夕食のBBQには稲積水中鍾乳洞の支配人さんたちにもご参加いただきました。


水中鍾乳洞内のクリーンアップ活動も行いました。





『稲積水中鍾乳洞プロジェクト』の様子の一部が、洞窟探検家 吉田勝次 のYOUTUBE 地球探検TVにアップされました。



一覧へ戻る

関連記事